近年、テレビや新聞などでも問題となっている給食費の未納について、ご存知の方も多いのではないでしょうか。
「あなたは、給食費の未納問題にどんなイメージを持っていますか?」
お子さんのいるご家庭だとより身近な問題ですよね。
この給食費の未納問題は急増しているだけでなく、様々な社会的問題も抱えているのです。
「どうしてなくならないの?」と思っていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。
今回は、そんな「給食費の未納の言い分」に触れながら、現実どんな問題があり、解決方法があるのかについて迫っていきたいと思います。
給食費未納者はどんな言い分があるの?
まずは、給食費未納者はどうして給食費を払わないのか?未納者の言い分を見ていきましょう。
<未納の言い分>
- なぜ義務教育なのに給食費を払わないとダメなの?
- 教科書や授業料はお金が掛からないのに、給食費は掛かるの?
- 給食を出して欲しいなんて頼んでいない
- 他にも給食費を払ってない人もいるし・・・
- 給食費が高すぎて払えない
- 給食費を払うほどの余裕がないので、学校側が立て替えてくれればいい
- 家のローンや、毎月の支払い等が有り、そちらを優先しなければならないから給食費はすぐ払えないから待って欲しい
- できる事なら払いたいと思っているが、収入が少なく生活が苦しい
などが未納者の言い分としてあります。全部が全部では無いですが、勝手な言い分も多い印象です。
しかし、払いたくても払えない家庭があるのも事実なのです。
シングルマザーなどの一人親の家庭や、病気や様々な家庭の事情などから働けず、ほとんど収入もなく、最低限の生活もままならず支払いが困難になっている家庭もあるのです。
他にも、このような調査結果もあります。
家計の金融資産に関して世論調査を行った所、30代の27.4%が貯金がゼロという結果になりました。
このような言い分も踏まえ、世間ではどのような意見があるのかを見ていきましょう。
未納者に対する世間の意見は?
自分勝手な理由から貧困などの理由で払えないなど様々な理由がありますが、未納者に対して世間の意見はどのようなものがあるのか見ていきましょう。
- 給食自体を廃止にしたらどうか?
- 給食制度から食堂制度に移行して、食堂が嫌ならお弁当を持参してはどうか?
- 未納なのに平気で給食を食べているのは食い逃げと同じ
- 生活保護や児童手当てなどから、給食費を天引きすればどうか?
- 社会に迷惑をかけているのに逮捕もされないのはおかしい
- 真面目に払っている人がいるのに、払わないでいいというのは不平等で納得いかない
- 身勝手な親の行動を子どもが真似してしまう
- 自分(親)の食費を削ってでもきちんと支払うべき
- 給食費が払えないのなら、食べさせないのが当然
- 子どもが恥ずかしく悲しい思いをしているのに何とも思わないの?
など、厳しい意見も多いのですが、逆に以下のような意見もあるようです。
- 子どもは国の宝だし、最低限の学校生活は国が保証すべき
- 貧富の差をなくすことも国として必要不可欠
- 個人に支払いを求める以外の方法はないのか?
- 貧困の場合は減額など出来ないのか?
などの意見です。
しかし、学校側としては給食費の未納によって決められた食材が予定通り購入できなかったり、更に未納が続くと食材費を削減しないと行けなかったりと色んな苦悩があるようです。
それによって、栄養バランスの悪い献立になったり、同じ様な献立になるのも嫌ですよね。
■別のトラブルが招かれることも
給食の継続が困難になるという事態になれば、きちんと支払いをしているご家庭や子供たちにとっても深刻な問題となります。
例えば、未納によって子供たちのイジメの火種になったり、きちんと払っている親が学校とトラブルにもなる可能性もあるのです。
学校によっては、先生たちで未納の子どもの給食費を立て替えたり、勤務時間外や休みの日などに、生徒の自宅や親の職場などに督促に行っている学校もあるそう。
ここまで深刻な状況になっている学校もありますが、実際のところ「私の子供の学校は特に問題になっていない!」と実感が無い方も多いのです。
では、給食費未納の現実はどんな状況なのかも知っておきましょう。
給食費未納問題の現実とは?
本来、給食費というのは学校給食法により教育の一貫としての位置付けで、食材費を負担する義務は保護者にあります。
しかし、平成24年度に文部科学省が全国全ての小中学校を調査した結果、未納者が9万9千人もおり、金額にするとなんと22億円という莫大な金額になっている事が明らかになったのです。
平成26年度には、公立小中学校において、未納者がいる割合が46%にものぼり、社会的な問題としてかなり深刻化しています。
こうした問題により、最近では「給食費が3ヵ月未納になった場合、給食停止の措置」に踏み切った地域や「給食申し込み制」を導入した地域もありますが、このような対応が本当に良いのか賛否の声が挙がっています。
未納は親の問題にも関わらず、子供に責任転嫁してしまう事が一番の問題との意見もあります。
このように、しわ寄せが子供たちに向かってしまうのです。
給食費の未納の原因とは?
ここまで、給食費の未納の言い分や世間の意見、現実の状況などをお伝えしてきましたが、皆さんはどのようにお考えでしょうか?
最終的には、子供たちが辛い思いをしてしまうのです。
それだけは、しっかりと理解しなければなりません。
しっかりと原因追究して、対策をして行く必要があるのです。
給食費未納の主な原因は、大きく分けると2点あります。
払えるのに払わない、払う気がない - 本当にお金がなく払えない
です。国の調査でも、原因の内訳はこのようにまとめられています。
保護者としての責任感に欠ける、規範意識の問題 | 61.3% |
保護者の貧困などの経済的問題 | 33.9% |
その他 | 4.9% |
このように、未納者の60%以上が払えるのに払わないという結果なのです。
払えるのに払わない保護者のなかには、ギャンブルや遊興費などにお金を使い、児童手当ても趣味や食費などに使っている場合も多いようです。また、モラルや責任能力が低い保護者もいる事などから、対応がかなり難しいようです。
ただ、先程もお伝えした様に未納にも様々な理由があり「払わない親が悪い!」とひとくくりにする事ができないのが現実なのです。
色んな理由があるから、学校側としても何度も手紙や電話で督促したり、家庭に足を運んだりしたくないでしょうし・・・。
しかし、近年は未納問題が深刻化し、支払いに応じない保護者に対しては、裁判所に申し立てを起こしたり、未納分を強制執行したり、民事訴訟にもなっています。
しかし、強制的に取り立てたり、訴訟を行って支払わせる事が問題の根本的な解決に繋がるのか?疑問です。
国や自治体で何か対策を考えていかなくては行けないですね。
まとめ
今回は「給食費未納の言い分」や「世間の意見」などについてご紹介させていただきましたが、いかがだったでしょうか。
本当に考えさせられますよね!
実際、どうしたらこの未納問題は無くなるのでしょうか。
未納者を責めるだけでは解決しませんし、更には給食費未納だけにとどまらず、子供たちへの虐待や、暴力、犯罪、借金苦による自殺などの問題に発展してしまう可能性がある事も考えられます。
批判だけでなく、国や自治体、学校や地域が一体となって未納になっている理由を捉え、未納者の立場や背景などを考えていく事が重要ですね。
いずれにしても、子供たちが、いつも笑顔で安心して給食を食べられることが一番です!